
地球が静止する日
ある夜、プリストン大学で教諭をする地球外生物学者、ヘレン・ベンソン博士の自宅にアメリカ政府のエージェントが突然やってきた。
強制的にある非常事態への協力を求められたヘレンは1年前に他界した夫の連れ子であるジェイコブを隣人に預け、あわただしく公用車に乗り込む。
すでに政府は軍を総動員出動させ警戒態勢を敷き、町は異様なまでに静まり返っていた。政府がヘレンのほかに核物理学・天文学・地質学などの権威を招集したのは、木星の外側で観測された謎の物体への対策を講じるためだった
小惑星と思われるその物体は想定外の進路を信じがたい速度で移動し、マンハッタンへと迫っているのだ。 しかし物体が地上に達するはずの瞬間には何も起きずまばゆい光を放つ巨大な球体がセントラルパークへと舞い降りてきたのだった。
防護服をきたヘレンらが近づくと、球体の中から一体の生命体と大きなロボットゴートが姿を現す。すると動揺した兵士の一人が発砲し、銃弾を浴びた生命体はヘレンの目の前で昏倒した。
政府は生命体を医療施設へ運び、懸命の治療をした、生命体の体にメスを入れると、灰色の有機物質の皮が剥がれ落ち、その下から人間そっくりの男性の体が姿を現した
宇宙からの球体は、地球上のさまざまなところに出現し、世界中を大混乱へ陥れていた
意識を取り戻した生命体は自分の名をクラトゥと名乗り地球を人間たちから助けに来たと、ヘレンに告げる。衝撃を受けたヘレンはノーベル学者バーンハート教授と面会させるが、必死の説得もむなしく、ついに巨大なゴートが大量の虫のようなものに変わり、地球上のあらゆる物を溶かしてゆく。
もはや風前の灯火となった今、人類の命運は、クラトゥの心に触れることができるヘレンとジェイコブに託されたのだった